鳥取県東部医師会 在宅医療介護連携推進室

【切れ目のない・在宅療養支援】在宅医療介護スタッフを対象としたアンケート調査結果(レポート)

在宅療養の場面で、実際に利用者と接しておられる、看護師や介護福祉士、PT・OT・STなどのスタッフの皆様の「困っていること・課題等」の「生の声」を聞き、今後の事業推進に活かす目的で、「在宅医療・ケア場面での課題等についてアンケート」を実施しました。

ご協力ありがとうございました。(R8.4.24~R8.6.30)

 

鳥取県東部在宅医療介護スタッフ調査から見える課題と今後の取組の方向性

2026年度調査(回答135名)を踏まえたまとめ

(とうぶざいたく:田中聡恵・橋本渉)

 

1.調査から見えてきたこと
今回の調査では、「職員不足」が最も大きな課題として挙げられました。
一方で、職員不足だけを課題として捉えるのではなく、限られた人員の中で生じている「連携のしにくさ」「情報共有の不十分さ」「役割や相談先の分かりにくさ」「専門性を高める機会の不足」に着目しなければいけません。
特に、多職種連携については77.0%が課題を感じており、情報交換の機会・時間不足、顔の見える関係の不足、急変時の連絡体制、制度や相談先の分かりにくさなどが挙げられています。

参考図

 

2.職員不足以外に着目すべき課題
調査結果を踏まえると、今後の取組では、次の4点を重点的に整理することが考えられます。
① 情報共有のしにくさ:何を・誰に・どのように伝えるかが明確でないことや、情報交換の機会不足。
② 顔の見える関係の不足:他職種の役割や専門性を十分に理解する機会が少なく、相談しにくい場面がある。
③ 仕組み・役割の不明確さ:制度・サービスのつながりが分かりにくい、急変時の連絡や相談先が不明確なまま。
④ 学び・専門性を高める機会:認知症、緊急時対応、在宅医療、看取り、ACP等について、多職種が共通理解を持つ機会が必要。

 

課題の構造と今後の対策

3.「職員不足」だけを起点にしない取組へ
職員を増やすことだけを前提とせず、「今いる職員(人材)が、より連携しやすく、より力を発揮できる環境をつくる」ことを一つの方向性としなければいけません。
情報共有の方法を整え、多職種間の相互理解を深め、困ったときに相談できる関係や仕組みをつくることで、現場の負担感を少しでも軽減していくが必要と考えます。

参考図

 

また、こうした「働きやすく、学びやすく、支え合える環境」を整えることは、現在働いている職員の離職防止や職場への満足度向上につながるだけでなく、「この職場で働き続けたい」「ここで働いてみたい」と思える職場づくりにもつながり、結果として中長期的な人材の確保・定着にも寄与すると考えられます。

 

参考図

 

4.今後の取組の方向性
● 情報共有を「決めて、そろえる」――必要な情報を簡潔に共有でき、困ったときに迷わない仕組みを整える。
● 顔の見える関係を「実際に助け合える関係」へ――交流だけで終わらず、事例検討や相談につながる場を継続する。
● 多職種の共通言語をつくる――認知症、看取り、急変時対応、ACP、在宅医療・介護連携等をテーマに、職種横断の学びを継続する。
● 小さな改善を積み重ねる――5~10分の事例共有や一言の振り返りなど、現場で無理なく続けられる取組を広げる。


5.まとめ
職員(人材)不足は短期間で解決できる課題ではありません。だからこそ、限られた人材が力を発揮できる環境を整え、連携のしやすさ、相談のしやすさ、学びやすさを高めることが重要であると思います。その積み重ねが、現場の負担軽減だけでなく、職員の定着や新たな人材を呼び込む職場の魅力にもつながるのではないでしょうか。

 

◆調査結果まとめは、 こちら(pdf)

◆調査報告書(全文)は、 こちら(pdf)

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