鳥取県東部医師会 在宅医療介護連携推進室

【 協議会 】平成29年度第1回 東部地区在宅医療介護連携推進協議会の協議概要

◆ 平成29年6月7日(水)19時~

◎協議会長挨拶

本日は中国地方が梅雨入り、また大変お忙しい中お集まりいただきありがとうございます。6月は様々な総会や決算等で、平成29年度が本格的に動き出したという印象を受けています。勿論それまでにも、皆さんには切れ目なく色々な活動をしていただき、在宅医療介護連携推進事業は充実したものとなっていると感じています。特に先日は、多職種連携研修会を開催し、大変盛り上がった会となりました。7月の研修会には120人もの申し込みがあり、この医療介護連携に係わる多くの方がこの事業に関心を持って下さっているのだと感じています。

来年度は、医療介護の報酬改定、医療計画、介護保険計画も新しいものになるため、この平成29年度は非常に重要な年となります。また、この会の中で色々な現場の意見を吸い上げ、平成30年度に向けた新しい取り組みをより充実したものとなるよう検討して行きたいと思っています。

◎報告

 平成28年度 在宅医療介護連携推進事業報告(PDF・213KB)

◎議事

(1)医療・介護資源マップ(WEB閲覧システム)について

平成27年度に作成した医療・介護資源マップをインターネットで検索できれば便利という声があり、WEB化を進めていた。5月末に完成し、全事業所にIDとパスワードを送付した。

(2)多職種研修について

・地域包括ケア専門職“絆”研修を3回シリーズで開催。この研修は経験年数の浅い初学者を対象。双方向の講義とグループワークを行うので、ファシリテーターにも参加いただく。

・アンケート結果によると、こういった研修の初参加者が約半数。改善点も出ているので、7月の研修会に反映したい。この研修は一度きりで終わるのではなく、繰り返し開催していく。

・中上級者向け多職種研修の位置づけとなる事例検討会は、6月23日に開催。

・多職種関係者向けの講演会の企画として、筒井孝子氏を検討中。この連携協議会が始まった当初、地域包括ケアについて先生にご講演いただき好評であったことと、来年度は介護保険医療保険報酬改定があり、その分野に長けている先生にお願いできたらと考えている。

(3)住民啓発の推進について

・2月26日に住民啓発学習会モデル開催。1市4町から幅広く参加いただき、地域でもこのような学習会を実施したいとの声があった。

・この学習会は、地域の方に地域包括ケアシステムや在宅医療、介護保険についての理解を深め、医療や介護に関する問題を自分や家族・住んでいる地域の問題として考えていただくことを目的としている。

・今後は小地域での開催を考えている。具体的な周知方法として、寸劇やPR用DVDの作成、パンフレットの作成。

・7月22日、富桑地区主催で寸劇の住民啓発学習会が開催される。協力予定。

(4)ファシリテーターについて

・平成27、28年度に養成研修を県と共同開催。修了者の中で所属機関より承諾のあった60名は、ファシリテーションWG委員として活動いただいている。 活動内容は、住民啓発学習会(2/26)、多職種研修会(4/23)。今後の予定は、多職種研修会(7/2)、住民啓発学習会(7/22)で活動。

・今年度のフォローアップ研修は8月20日、新規養成は8月21~22日の平日開催。これから各関係機関へご案内をさせていただく。ファシリテーターの活躍の場は増えており、期待されている事もあるので、1人でも多くの方に参加していただきたい。(県東部福祉保健事務所)

・研修を受けた方からの声として、研修を受けて職場でも役に立ったという声を聞いている。ぜひ参加いただきたい。

(5)介護・医療連携シートについて

・現在の様式になり、医療機関へより詳しい情報を提供でき、こちらにも必要な情報が入るようになったのではないか。居宅のケアマネに聞いたところ、以前より良くなったとの意見があった。今後とも情報共有できるよう活用していきたい。(県ケアマネ協東部支部)

・ケアマネ対象アンケート再調査について 連携シートの運用によりどれくらい風通しが良くなり、情報提供がされているのか。前回調査時は7割程度であったが、今回も把握したい。秋頃に調査を予定しているので、ご協力ください。(県東部福祉保健事務所)

【 意見等 】

● ファシリテーター新規養成研修は、どちらかは土日が入るようにならないか。そのほうが参加しやすいのではないか。

○ 昨年度は日曜開催であったが、平日の方が良いという意見があったため。ただ、今後の状況を見て次年度も開催という事になれば曜日も検討したい。

● 住民啓発パンフレットの内容は? 介護保険についても、住民が分かり易い内容のものを作成してほしい。

○ 「地域で暮らせる仕組み」「本人の意思決定」「周囲の協力」の3点で最も重要な「本人の意思決定」をメインとしたい。その先には死というデリケートなこともあり、行政から伝えにくい点でもある。初年度に地域包括ケアについてのパンフレットを作成したが、そこから一歩踏み込んだ内容になれば。内容はWGで検討していく。

○ 次回協議会までには配布できるよう作成して下さい。(会長)

● 資源マップWEB版は使い易いと思う。冊子だと大きく見難いと感じた。WEBについては様々な意見が出ると思う、それをどの程度反映できるか課題ではあるが、意見は取り入れていただきたい。

○ 資源マップはこれで終わりではなく、皆さんからの意見も取り入れつつ、年に1度は再調査も行いたい。

● 自分もファシリテーション研修を受けたが、会としてはどの程度養成すれば良いのか具体的に出しながら進めていったほうが良いのではないか。協力者60名の職種を分布し、少ない職種の関係団体へ声掛けし、参加できる仕組みを進めて行くと良いと思う。

○ 実際募集してみないとわからないが、昨年度は初年度に比べて受講者が減った事、今回は平日開催という事もあり、今後の展開を検討したい。

  60名+今年度新規養成者で人数が増えても、その中で参加できる方も絞られてくる。それを踏まえ、今後の養成を考える必要もある。行政の予算も含め検討する。

● 若桜町では独自で関係事業所職員にも協力いただき、劇を開催した。住民啓発WGでは寸劇のDVDを地域の中で活用されるとのこと、繋げて行くというところは若桜町でも参考にしたい。

● 八頭町では、小地域で「まちづくり委員会」を設置し活動している。住民啓発WGの寸劇DVDを活用したいが、いつごろ完成するのか。

○ 夏以降の予定。PR活動も本格化していきたい。

会の様子

(6)情報共有の支援について

  ・ 救急連絡シート

東部消防局より、高齢者の救急搬送が増え、今後も増えることが予想される中で、事業所から要請があった時に情報がうまく伝わらない事があるため、救急連絡シートを活用いただきたいとの話があった。

老健協会、老施協の協議会委員にも意見をいただきながら運用案を作成。医療職の配置が厚い入所施設と中小事業所で統一したシートの運用は難しく、切り分けて考えた方が良いのではないかという事になった。

  ・ 情報共有支援WG(提案)

昨年度に取り掛かり始めたものの、連携に必要な情報の共通理解はまだ進んでいない。

既存ツールは、こちらで把握しているだけでも様々な様式があり、その中には同じ内容で用語が異なるものもあると思われる。まずは現状分析をし、情報共有ツールの整理、検討を行いたい。ICTの活用があれば便利ではあるがそれを導入できるのかということもある。

新規でWGを作るため地域資源WGを終結し、その委員さんに加え情報共有に必要な職種の方に協力いただき進めて行きたい。

【 意見等 】

● 前回の協議会でもお話したが、私共の施設では4つの書式を記載している。紹介状、各病院が定めている病院の書式、看護記録、医療連携協議会で定めた様式。シート運用について東部地域にある老健の医師に聞いたところ、救急時に更に増えるのは無理だという意見が多数。結論からすると新たな書式を作るのではなく、医療連携協議会のコピーを渡せば良いのではという意見になった。最終結論ではないので、県の老健協会総会と理事会で話をする予定。老健は医療機関であって福祉機関ではない。医師が判断している。その上でもう一枚増えるのは無理がある。

 救急搬送の急増については、個人の頻回要請者も問題。そういった問題が解決できればかなり改善されるのではないか。データがあると思う、別の視点でも少し対策を考えてはどうか。

○ 東部消防ではコール数1万件を超えた。65歳以上は年々増えている。また、頻回利用者は毎年いるものの、全国的に言われている程ではない。老健施設に関しては、医療機関判断でカテゴリでは定期搬送ということになる。4月からは定期搬送指示書が動いておりそれをいただき情報を得ている。

救急隊が現場に到着すると、ほぼ全症例で救急隊は観察メモを施設の方に渡し、バイタルをとるなど処置をし、救急車に収容する。その間にメモをとってくださいとお願いするが、ほとんど書かれていない。半分近くそのような事例がある。65歳以上の救急要請場所はほぼ自宅ではあるが、1~2割は施設。情報は病院交渉のために必要だが、医師の紹介状を我々が見る事はできない。施設の方はカルテをもって乗っていただくが、かかりつけ医など質問すると答えられないという事もある。そのために作ったもの。施設が使っておられる様式があるなら、それを提示いただければ十分である。ただ、年に何回かは準備していない、何も書いていないという事があるので提案させていただいた。(消防局)

● 昨日救急車を呼んだ際、救急隊に患者さんの情報を口頭で伝えると、内容を書き取っていただけた。不自由はないなという印象を受けた。しかし、普段から情報を言えるか、とっさの時でも言えるかどうかということはある。

(7)訪問看護師の育成について(報告)

・ 鳥取県地域医療構想の企画の1つで、まだ正式決定ではなく、進捗状況の報告。訪問看護と在宅における人材育成が大きな課題となっている。

希望しても在宅で療養できない地域に対し、何らかの支援をする体系的な仕組みが必要であろうということで、現在その取組みを鳥取県東中部圏域地域医療推進機構が行っている。1市4町でなる鳥取東部中部地域医療推進協議会が上部組織。

訪問看護の育成には時間もかかり、多職種で教育していく仕組みが必要である。そこで、教育機能と在宅医療介護の実践機能を兼ね備えた多職種連携教育支援センターを作ろうと、様々な団体と協議しながら進めているところ。

最終的には5年後を見越して、希望すれば在宅で療養できる地域にするために、中間アウトカムとして多職種の向上、住民の考え方を変えていく。また、地域医療連携法人を取得したり、支援センター設立等が必要となってくる。現在、財源確保がネックではあるが、法人格取得に向けて調整を進めていきたい。

(8)その他報告等

・ 鳥取県栄養士会主催で、在宅医療介護に関する調理実習と講義を7月29日に開催する。開催場所が大栄町ではあるが、栄養士だけでなく看護師さん、介護士さん等、多職種の方に参加いただきたい。興味のある方は問合せください。

・ 東部歯科医師会主催の食支援研究会について。昨年と同じ内容で10項目を5日間、日曜の午前中に開催予定とのこと。

・ 鳥取県薬剤師会で、在宅医療に関する、薬剤師をアピールするようなポスターと冊子を作成した。委員のみなさんにご連絡、送付させていただきたい。

◎ 次回協議会は、平成29年10月4日(水)19時~

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