鳥取県東部医師会 在宅医療介護連携推進室

【 協議会 】平成28年度第1回 東部地区在宅医療介護連携推進協議会の協議概要

◆ 平成28年6月2日(木)19時~

◎協議会長挨拶

この事業が始まり1年半程経ち、委員の先生方には大変お世話になっている。また、昨年4月に推進室ができ、皆さんのお力もあり非常に充実した活動を行ってきた。そしてようやく本格的な活動のかたちが整い出したので、28年度はそれを基によりいっそう頑張っていかなければならない。本日は今年度の活動について屈託のないご意見をいただきたい。

◎報告

(1)平成27年度の事業報告について

■ 平成27年度事業報告(PDF・154KB)

(2)東部圏域医療・介護連携に係るアンケート調査

各病院へ聞取りを行った。相互理解、共通認識の不足、其々の現場での連携の取りにくさ等、解決策を検討する場が必要である。

■ 医療・介護連携に係るアンケート調査及び病院への聞取りについて(PDF・162KB)

【 意見 】

● 退院支援に関する評価の充実として、今回の診療報酬改定で退院支援加算の評価が見直されている。当院では、ハードルのある退院支援加算1をとった。このアンケート結果によると、入院時の情報提供率は45.9%ということで、これはもう少し上げて行きたい。ケアマネさんは、まずは各病院の地域連携室を通し、年3回以上同じ方でなくとも同一居宅の方が来ていただければ情報の提供もできる。また、病院にとってもメリットである。

〇 良くしていくためにはどう取り組めばよいか。地域連携室の集まる組織やケアマネ協の組織などで、この結果をもとに今後取り組める策(地域全体での共通のやり方、方策等)を検討していただきたい。ぜひ、実のあるものを作って欲しい。

□ ケアマネから病院への連携率が低く、今後の課題。ただ、ケアマネも加算がとれるし、お金がとれるという事だけを考えるのでなく、利用者ひとりひとりのことを考えなければ在宅復帰は難しい。ケアマネ協で何が出来るのかを検討していきたい。

▼ 在宅リハビリ研究会とケアマネ協の合同研修会を8月に計画中。内容としては、回復期リハビリ病棟のある連携室(4か所)スタッフと顔の見えるかたちで勉強会を開催する。案内が出来れば皆さんぜひ参加していただきたい。

◎ このアンケート結果は、お互いにとって今やらなければいけない事、考えている事を知る意味で非常に役に立つと思う。先程、診療報酬についての話が出たが、ハードルが高いという事でなく、やるべき事をやっていればついてくるものではないか。申請していく事は必要だと考える。

△ このアンケート結果は各病院や調査依頼施設へフィードバックされるのか?

〇 市のケアマネには連絡会で報告済み。ただ、同じ報告をするなら病院側の意見も踏まえて報告したいので、改めて病院やケアマネへ、協議会との連盟として報告したい。

会の様子

◎議事

(1)H28年度の各WG等の活動について

厚労省8項目中、27年度に5項目を開始。残り3項目のうち2つを28年度に始めたい。

■ H27~H29事業スケジュール(PDF・59KB)

■ H28年度新規取組み項目(PDF・809KB)

(新)切れ目のない在宅医療と在宅介護の提供体制の構築支援 について

東部の現状(ハード的なこと、人員不足など)でどう考えていくか。連携、情報の共有を含めながらの取り組みになっていくと思う。

病院連携室、ケアマネ間のコミュニケーションが不足している。まずは資料の赤字項目から取り組んで行きたい。

ケアマネアンケート結果をふまえ、各病院連携室のワーカーと包括や居宅のケアマネが集まる機会を設け、課題のすり合わせをしていきたい。

難しい問題ではあるが、このたびの診療報酬改定で在宅へのシフトが大きくなっており、当たり前に地域包括ケアを進めていけば点数がついていると理解してもらうところから始めたい。講演会等を開催して進めて行きたい。

(新)在宅医療・介護連携に関する相談支援

個人からの相談は包括。こちらで対応するのは事業所、関係各社からの相談受付。

まずは推進室スタッフで対応し、様子をみる(相談内容、相談件数の把握)。

【 意見 】

● 医師の連携(在宅療養支援診療所、在宅療養後方支援病院)はどんなものか。

〇 いくつかの診療所がグループとして動き、患者さんをサポートし多職種との連携をとっていく診療所のこと。在宅療養後方支援病院は、東部では鳥取市立病院。開業医、他の病院と連携をとっている。ただし、連携はまだ十分とはいえない。どう強化していけばよいか協議しているところ。

● エリアごとで体制を作っていこうという構想なのか? 。

〇 エリアというよりなるべく近いところで。現在の東部エリアは中学校区単位での活動である。

● 訪問看護事業所数は少しずつ増え、現在、東部は15ステーションになった。連絡体制や看護体制も少しずつ出来だしたところ。ただ、数が増えても夜間や土日対応ができなかったり、質の問題がある。高齢者だけでなく小児や精神の患者が増えた課題もある。事業所を増やすというより1事業所の人数を増やしていきたい(質の向上)。病院の看護師も不足している中ではあるが、退職者、再就業希望者等へ、ぜひ声をかけてほしい。みなさんの協力を得たい。

● 予防的なところも踏まえ在宅医療を見ていく中でリハビリとの関わりももっと強化していかなければいけないが、リハ職も意識的なものが低い。病院で働くリハ職は多いが、もっと在宅という点に目を向けてほしい。病院勤務者は1~3年目の人が多く、教育体制を含め、向上を目指したい。また、訪問リハ単独で行っている事業所は少なく、訪問看護の中のリハビリとなっているので、訪問リハビリをもっと打ち出し、皆さんに訪問リハで何が出来るのかを知っていただきたい。

● 事業所のない自治体はどのような方向性を持っているのか?大きなテーマだと思うが、行政自治体からの意見を聞きたい。その他困っている事などもあれば。

〇 住民からの訪問看護の要望が大きい。現在、八頭町にサテライト設置を検討中。郡部でも利用をしていければと思う。

● 資源マップをWEB化し索引をつければヒットしやすくなるのでは。

〇 今年度の地域資源WGでの課題。どのように索引をつけ掲載するのかは金銭的問題もあるので検討中。東部医師会ホームページの医療機関検索方法も参考にしながら行って行きたい。

● WGは非常に良いと思うが、数人の担当者で話し合いをしたところで、それが行き渡るかというと難しい。何か強制力がある訳ではなく、それによって決まった事がうやむやになってしまうのも勿体ない。それならば、東部10病院の地域医療連携協議会でケアマネ代表者から(オブザーバとして)議題を出してもらうのが現実的ではないか。各病院連携室が出席している中でディスカッションの下、ケアマネとの関係を強化・協議できると思うので、何か協力させていただきたい。

〇 かなりの大人数になるとは思うが、ありがたいこと。地域医療連携協議会とこちらで、うまくできる方策を考えたい。よろしくお願いする。

(継続WG)総合企画WG、行政WG、地域資源WG、多職種研修WG、住民啓発WG

〇 行政:ファシリテーター研修について、今年度は日曜開催を検討。

〇 地域資源:資源マップのWEB化について、まずは事業種別リスト等をPDFで掲載していきたい。

〇 多職種研修:地域包括ケアについての研修内容(20分程度、東部地区の特徴を入れたもの)を作成した。外へ出掛けて研修をしていきたい。希望される事業所があれば連絡を。ワールドカフェの募集も開始するので申し込みしてほしい。

〇 住民啓発:寸劇、ファシリテーター参加の住民同士での意見交換会をパッケージ化した小地域学習会をモデル開催する。普及啓発資料作成。行政保健分野、社協、各公民館活動と協働したい。

■ H27から継続のWGの活動(PDF・841KB)

【 意見 】

● 多職種メンバーとしてワーキングに参加しているが、3月の講演会に智頭から来られた方は少なかった。各地域の中でそういうことが盛り上がるような取り組みに繋がっていかないと意味がない。

昨年は活動初年度だったので、これから展開して行ければ。ただ、地域の特性に合わせ、地域包括や行政と上手に繋がりながらの活動が必要。

(その他の活動・ファシリテーションWG)

〇 27年度のファシリテーター研修修了者の方々にWG委員になっていただき、ファシリテーションの派遣などでWG活動をしていきたい。フォローアップ研修なども予定。このWGは不定期活動。

〇 新規WGについて、既存WG委員の異動も考えていきたい。

■ ファシリテーションWGの設置ほか(PDF・96KB)

◎意見交換

● 既存のWG活動(地域資源・多職種研修・住民啓発)は、取り組む中身や具体的な方向性が見えているが、行政WGの方向性や次の予定があまり具体的に見えない。鳥取市と4町がしっかり連携し進めて行くべきで、行政WGは大事な場になると思う。それぞれの課題や問題を突き合わせ、忠実に取り組みをしていかなければいけないと思う。充実した運営を期待したい。

〇 推進室が1市4町で成り立ち連携が出来たという安心感もあると思う、しっかり活動したい。

● 訪問看護や訪問リハの人材不足の話があったが、在宅医療を担おうとする薬局は施設基準として登録はしているが、能力とやる気がない所が多い。薬剤師へ在宅医療についての研修も行ってはきたが、一番抜けていたのは介護の事を全く知らないということ。まずはそこから強化すべく、今後、皆さんに薬剤師達へ語っていただく機会を作っていきたい。ご協力よろしくお願いする。

● 今年度予定しているファシリテーター研修はどのように募集するのか。

〇 研修後、勤務時間中の活動がある場合には事業所の承諾協力がなければ活動できないので、基本は推薦で募集したい。ただ、個人的に受けたいという声もあるので、定員に空きがあれば参加も可。

● 10日間程度熊本へ避難所支援に行っていた。避難所には災害派遣の医療関係者がおり、行政は他の事で手一杯で避難所のことはなにも出来ていなかった。その後、地元の医師会へ医療の事を繋いでいくとなった時にやっと、行政が仮設所や避難所の事を考えだした。もっと長いスパンで物事を考えていかなければ、と感じたところで自分は帰ることになった。ケアマネアンケートで、ケアマネと地域連携室の時間間隔が違うとあったが、被災地が正にその通りだと思った。医療と介護は見ている方向が全く違い、お互いが向き合って話をしてもうまく噛み合わない。そこをどうしたら繋がるかというと、今ここにいない住民(第3者)を皆が意識して初めて医療と介護は同じ言葉で話をしていく事ができるのではないかと思った。そこがない議論はうまく連携できないのだと本日の協議会に参加して感じた。

◎ 次回協議会は、10月5日(水)19時~

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