◆ 令和8年10月7日(水)19時~20時30分 東部医師会館・オンライン(Zoom)
1.開 会
2.協議会長挨拶
皆様、こんばんは。早くも今年度の折り返し地点を回ったところで、ますますご多忙のことと思いますが、第2回協議会にご出席いただきまして有難うございます。
先日公表されました国勢調査の確定値によれば、日本の人口は5年間で2.5%の減少、鳥取県においては5.5%も減少しています。一方で少子高齢化が一層顕著となっており、疾病構造の変化も相まって、在宅療養を行う患者さんは増え続け、多くの地域において在宅医療のニーズは2040年頃にピークを迎えると予想されています。鳥取県においてはもう少し早くにピークを迎える可能性もあると思っています。
こうした社会的背景を受け、第8次医療計画においても在宅医療提供体制の強化が重点課題として位置づけられているところです。
しかし、在宅医療を担う人材もまた高齢化しており、人材の確保や人材育成はどうするのかという問題が非常に重要となります。患者家族の希望や地域資源を踏まえたうえで、在宅生活を継続的に可能とする多職種連携が不可欠となり、柔軟な医療提供体制が求められます。
さて、本協議会の歩みを振り返りますと、地域医療再生基金による在宅医療連携拠点事業は、東部地区では平成25年度に「にしまち幸朋苑」が受託されました。一方、東部医師会でも、在宅医療推進事業として多職種の方々を委員とする在宅医療検討委員会を開始し、在宅医療における現状と課題について話し合いました。この委員会は26年度には、在宅医療連携検討委員会として東部医師会館において引き続き実施されました。27年1月から地域医療介護総合確保基金による、在宅医療に必要な連携を担う拠点としての事業を医師会が受託し、同年2月から当協議会を立ち上げてまいりました。27年度からは合わせて、介護保険の地域支援事業として実施主体である1市4町から委託されて在宅医療・介護連携推進事業を開始し、現在の連携室が開設されました。以来、多くの方々にお世話になりながら、成果を積み上げてきました。
今年度からは新たな地域医療構想の策定が始まっており、救急、在宅、入院の部門ごとで医療提供体制のあり方が検討されています。在宅部門においても、これまでの業績を生かし、常に時代のニーズを考え、対応していけたらと考えています。
私たちの任期もちょうど半分を残しています。任期の終わりまでには、2040年問題という課題解決にめどをつけたいと思っています。
本日は、今年度前半期の報告が中心となりますが、協議時間の余裕が生まれると思われますので、これからの地域包括ケアに必要な事柄について、ご提案をいただく等、忌憚のないご意見を賜れば幸いです。それではよろしくお願いいたします。(松浦会長)

資料はこちらからご確認ください⇒ 協議会資料1~5
3.報告・協議事項
(1)在宅医療・介護連携「相談支援」の概要・・・資料1
資料参照、この度の報告は08003・08004
(2)在宅医療介護スタッフを対象としたアンケート調査結果(最終報告)・・・資料2
在宅医療・介護スタッフを対象にアンケート調査を実施し、135名から回答を得た。回答者は30~50代が約85%を占め、約9割が経験年数5年以上であった。
調査結果では、在宅医療・介護の現場における最も大きな課題として職員不足が挙げられ、働く負担の大きさや多様なニーズへの対応、認知症ケアなども課題となっている。年代別・経験年数別では、若年層や経験の浅い職員は認知症ケアや専門知識の不足、多様なニーズへの対応に課題を感じている一方、50代以降では身体的負担が大きい傾向がみられた。
医療と介護の連携については、83%が「十分に取れている」「概ね取れている」と肯定的に回答した。一方、多職種連携では、他職種の業務内容や役割が分かりにくいこと、情報交換の機会や時間の不足、顔の見える関係づくりの難しさなどが課題として挙げられた。また、希望する研修としては、多職種連携に必要な知識や認知症ケアが多く、専門性を高める機会の充実が求められている。
これらの課題の根底には、人員不足に加え、連携基盤の弱さや情報共有の不十分さ、役割や相談先の分かりにくさがあると考えられる。今後は、職員不足だけを起点とするのではなく、限られた人材がより連携し、力を発揮できる環境づくりが重要である。情報共有の方法や役割を明確にし、多職種の相互理解を深め、相談しやすい関係や仕組みを整えるとともに、地域の専門人材を研修等で活用していくことが必要である。こうした取り組みを積み重ねることで、現場の負担軽減や職員の定着、さらには新たな人材の確保につながることが期待される。(事務局:橋本)
小規模多機能型居宅介護は、通い・泊まり・訪問のすべてに対応し、時間的な制約も少ないため、夜間の電話対応など突発的な業務が発生する。また、利用者本人のその日の気持ちを尊重した柔軟な対応が求められることから、職員の身体的・精神的負担が大きくなり、人材の確保や定着が難しくなる一因となっている。訪問介護に対するイメージの問題も含め、在宅介護の課題だと感じている。こうした課題に対応するためには、事業所の規模を問わず、困ったときに相談できる仕組みや、事業所間で情報や対応方法を共有できる横のつながりが重要だと思う。今後も協力させていただきたいと思っているので、連携を進めていただければありがたいと思う。(谷田委員)
訪問看護師対象の研修会でもカスタマーハラスメントの事例が報告されている。我慢していれば良いとか相談先がわからないという理由で表に出ていない事例もあり、研修講師からも、困った際に相談しやすい関係づくりがカスハラ対策に対してもとても有効であるとのことであった。相談できる環境をつくることが安全な介護につながると考える。また、疾患の特性から来るハラスメントは分けて検討する必要があり、訪問看護にSOSが来た際の対応についても事例検討を行った。(村上副理事)
職員間の連携や先輩による後輩育成は、次のサービスにつながる重要な要素である。また、他機関との連携も含め「報・連・相」を重視し、様々な事例を踏まえながら職員の育成に努めていきたい。さらに、今回の調査で人手不足が諸問題の起因になっているとのことであったため、人員が限られている現状だからこそ、職員間の連携をより一層強化していく必要があると考えている。(松本委員)
介護現場では以前から職員不足が深刻であり、県内の養成校減少に加え、学生も社会人や外国人が大半を占め、若い担い手の確保が困難となっている。特に在宅ケアの現場では単独での業務が多く指導が難しいうえ、小規模事業所では各種研修への参加もしづらい現状があると思う。せっかく介護職に就いてくださった方々が、継続して働き続けられるよう、研修の機会確保や多職種連携を強化できる環境づくりの重要性を、アンケートを通じて改めて感じた。(以後委員)
各地域包括支援センターで、多職種連携のための研修の企画・実施に取り組み、サービス事業所やケアマネジャーからの相談を受けている。 日々の業務や働き方、モチベーションの維持といった深い部分まで踏み込むことは現状難しいものの、課題に感じられることを議題に挙げて話し合いを行っている。今必要な学びとしてどのようなことを計画すべきか、それぞれの包括で企画していただいているので、現場の声を聞きながら研修を企画するということで共有を図っている。(藤木委員)
(3)身寄りのない高齢者等の支援に関する事例集の作成・・・資料3
鳥取市からの委託により、東部圏域を対象に「身寄りのない高齢者等の支援に関する事例集」を作成する。完結した事例だけでなく、課題が残ったようなケースも集約できれば今後の取り組みの中で活かしていくことができると考えている。(事務局:橋本)
鳥取市では、昨年度から身寄りのない高齢者支援の新しい事業として、NPO法人ひとしずくへ業務を委託し、実際の支援を通じて、医療機関や介護事業所の意見を聞きながら制度作りを進めている。取り組みの1つとして“とうぶざいたく”に委託し「対応事例集の作成」に取り組んでいる。
これまで行政、医療機関、介護事業所の役割が明確でなく連携がうまくいかないという課題があったため、この取り組みを通じて役割分担を明らかにし、各機関がスムーズに支援できる体制を作りたいと考えている。事例集は初めての取り組みであり、うまくいった事例だけでなく、課題が残った事例も含めて出していただければ、今後に役立つと思っているので、皆さまのご協力をお願いしたい。(鳥取市長寿社会課 松本課長)
地域の中でこうした取り組みが始まっていくことは本当にありがたいと感じている。病院で働くソーシャルワーカーとしても、身寄りがない方や、たとえ親族がいても関係性が築けずにキーパーソンの役割を果たせないため、既存の制度に乗ってこないといったケースがかなり増えてきている。これまでも声を上げ、行政の方々と話し合いの機会を作ってもらってきた経緯もあり、医療機関にもお願いしながら協力を進めているところである。
現場の声を聞くと、多いところでは4例ほどすでに準備していると聞いている。この事例集が、うまくいったケースは地域の質の担保につながる教科書的な役割を果たしていくことや、逆に難渋して支援が中途半端に終わってしまったようなケースも含め、現場のリアルな生の声や専門職それぞれの努力が詰まった事例であるので、是非皆さんに目を通していただきたい。
まだ仕組みが追いついていない現状もあるが、より良い地域の仕組みづくりや連携体制の強化につなげていきたいと考えている。こうした貴重な機会をいただけたことに感謝している。(中瀬委員)
居宅のケアマネジャーとして身寄りのない高齢者の増加を日々身近に感じており、ぜひ事例提供したいと思っている。必ずしもうまくいった事例でなくてもよいとのことで、慣れない支援の中で適切な機関につなげられず、意思決定や生活のことが聞けないまま急変してしまったり、財産・金銭管理につなげられないまま終結してしまったりしたケースもある。
そうした事例こそ今後の支援の参考にしたいと考えており、ケアマネ協会でも会員にメールで提供をお願いしているほか、事業所内でも声をかけている。(多林委員)
意思決定支援や財産のことになると、成年後見制度の利用も検討するがなかなか事が進まないことが多い。この度の事例集制作にあたっては、弁護士や司法書士にも相談等をする予定はあるのか。房安先生のご意見を聞くことができたらありがたいと思った。(谷田委員)
→司法の関係にご意見をいただかなくてはならないような事例も出てくるのではと思う。その際には相談をさせていただければと考えている。(事務局 橋本)
(4)ACPセミナーの開催・・・資料4
11月28日(土)10:00~11:40 東部医師会館3階研修室にて開催予定。(近日中に広報を開始予定)医療・介護関係者の皆さまにも是非お越しいただきたい。(事務局 橋本)
普及啓発は全国的になかなかうまくいかず、欧米から持ち込まれた概念が日本人に馴染むかが大きな問題である。まずは様々な切り口から生き方を見つめ直すことが最も大切であり、日本に合ったやり方を試行錯誤しながら取り組んでいくことが重要だと感じた。(足立副会長)
鳥取赤十字病院では、小児科以外の入院患者に「わたしの心づもり」を渡して、人生会議を考える機会の提供を行っているが、基本的に渡したままになっていることが多いと思う。
11月7日(土)10時~日赤健康フォーラムを開催。ACPについての動画や、実際の体験談などの講演会を企画している。ACPについて再度考えていただく機会になればと思っている。(小坂委員)
(5)その他・・・資料5
○住民啓発活動の状況・・・昨年と比較して件数が少なくなっている。各地域等からのご依頼をお待ちしている。
○多職種研修会の年内の予定について報告
≪東部消防局の出前講座≫
消防署から介護施設へ職員が出向き、急変時の初期対応や救急隊到着後のシミュレーション訓練を行う「出前研修」を実施している。
湖山消防署では令和元年から23施設、岩美消防署では令和6年度から10施設で実施実績があり、救急の意見交換会や救急連携訓練を行っており、今月も予定されている。
研修・訓練は1時間程度で、119番通報の要領、救急隊への引き継ぎ、DNARに関する内容などの研修を行っている。夜間想定の動きや情報伝達のトレーニングなど、各施設のご都合に合わせた内容にも対応できる。ご要望があれば窓口として各消防署との調整を行いますので、ぜひご検討いただきたい。(佐々木委員)
≪地域医療構想≫
東部医師会では以前から在宅医療介護連携推進事業と、在宅医療に必要な連携を担う拠点に関する事業を受託し進めていただいている。医療計画の中で、地域医療構想を踏まえ、在宅医療の提供体制をさらに充実させていく必要がある。この拠点に関する事業は、在宅医療を受ける者に対して、多職種協働による包括的かつ継続的な在宅医療の提供体制の構築を図るため、在宅医療の提供状況の把握や、連携上の課題の抽出及びその対応策の検討等を実施するものである。
東部医師会には、これまで中心となってご尽力いただいているが、在宅医療の提供状況の把握や連携上の課題、特に提供状況をどのように把握していくのかという点については、まだ十分に詰められていないと考えている。そのため、地域医療構想の中で、東部として何らかの形で今後の方向性を出していけるとよいと考えている。
また、医療計画には、地域の関係者による協議の場を開催することが記載されている。そこで、在宅医療の提供体制の状況を中心に、東部医師会が受託している事業もさらに活用しながら、協議の場をどのように持つのがよいか相談させていただきたい。行政、保健所、市町村など、在宅医療に関わる関係者にも参加いただき、必要な方々にお集まりいただいて、協議の場の開催につなげていきたいと考えている。
ついては、東部医師会並びに関係市町、関係機関の皆様のご理解とご協力をお願いしたい。今後、この件について改めてご相談させていただきたい。(長井委員)
東部地区がモデル地区となり、厚労省からの伴走支援を受けるということについて進捗状況の情報提供をお願いしたい。(足立副理事)
東部区域は一昨年度にモデル区域として設定され、国の伴走支援を受けている。現在進めている新たな地域医療構想の策定においても、このモデル区域について検討していきたいと考えている。
国の伴走支援とは別に、県が経営コンサルタントに委託してデータ分析を予定している。この分析には在宅医療や介護などの分野も含まれており、データが集まり次第、会議の場にご提供して皆様の議論にご活用いただきたいと思っている。(県医療政策課 中原補佐)

◎ 次回協議会は令和9年2月3日(水)19時~