鳥取県東部医師会 在宅医療介護連携推進室

6/8 第13回 東部在宅医療・介護連携研究会(多職種事例検討会)を開催しました

研究会の場を通した医療・介護にまたがる様々な情報の共有、相互の連携を深めることを目的に、多職種事例検討会を開催しています。

■ 「事例を通した医療・介護連携の情報共有・知識向上」

■ 「研究会参加による、医療・介護関係者の顔の見える関係づくり」

 

◆ 第13回(平成30年6月8日)19時~20時30分

 

◎ 松浦会長挨拶

この会はいつもたくさんの方にご参加いただいております。

今回は医師会で定期的に開催している認知症研究会と合同開催することとなりました。どちらの会も中身の濃いものです。ミックスして行う事でお互い刺激となることは大変良いことで、みなさんにとっても研究会にとっても有意義になると思います。

前半は足立先生の講演でACPについて。人生の最終段階において受けたい介護や医療について、あらかじめ繰り返し話し合う事はとても大切なことです。

後半は精神医療に熱心に取り組んでおられる髙田先生に実際の臨床に基づいたお話を講演いただきます。

どうぞ最後までご清聴いただければと思います。よろしくお願い致します。

 

【 鳥取県東部在宅医療介護連携研究会 第13回 事例検討会 】

◎ 演題: 県東部におけるACP(アドバンスケアプランニング)の取り組み

◎ 演者: 鳥取市立病院 地域医療総合支援センター長 足立 誠司 先生 (世話人兼)

講演の様子

今日の研究会のテーマでもある認知症高齢者が、要介護状態になっても最後までその人らしく暮らせるよう支援していくためには、本人の思いや価値観を知ることが大切です。しかし、それを知ろうとしたときには認知機能が低下していたり寝たきりになっている事が多く、その人がどんなことを大切にしてきたか知る機会がありません。家族に聞いてもよく分からないというのが今の現状です。

そこで、ACPという概念が出てきました。日本語で言うと意思決定支援。本人の意思を支援していくためのやり方のひとつですが、医療介護関係者を含め、皆さんにはまだあまり知られていません。ACPについて、その必要性について理解いただくことでより普及して行くのではないかと思っています。

また、東部圏域では「わたしたちの心づもり」というACPを意識したパンフレットを作成しました。なぜ考えないといけないのか、なにを考えれば良いのか、いつ考えれば良いのか、どのように話し合えば良いのかの4つ立てとなっています。

認知症研究会後のグループワークでは、皆さんとこの地域の中でどのように運用していけば良いのか、話し合いの時間を設けます。


 

【 鳥取県東部医師会認知症研究会 第48回 症例検討会 】

◎ 演題: 当院(精神科診療所)の老年期精神医療の実際~若干の症例提示を交えて~

◎ 演者: 髙田医院 院長 髙田 耕吉 先生

( 講演概要 )不安と孤独感の強い高齢女性の症例

 

*例えば、患者さんに足立先生のようなACPのお話はされていますか?(司会)

*足立先生のお話は良い話だなと思いました。聞きながら親のことだけでなく自分のことも考えました。

私は50歳を過ぎ、肉親だけでなく親しかった方がちらほら亡くなっていく歳になりました。その時に、こういうこと…枠があると楽かもと思うと同時に、きちんと話していかないとまずいなとも思いました。やりとりすることは大事なんだなと感じます。

死ぬことを意識できるようになった、自分のこととしてリアルに感じ出したのは50代に入ってからのような気がします。支援者だった30代40代の私には良く分かりませんでした。

自分のことから考えることができるようになったら、利用者さんに対しても提案したり話しやすくなるのかなと考えながらお話を聞きました。(髙田先生)

 


 

■ グループディスカッション

(課題)認知症患者でACPをいつどこでだれが説明し、本人の意思決定支援を地域全体(病院⇔施設⇔居宅)でどのようにつなげていくのがよいでしょうか

いつ、どこで、だれがACPについて説明し、本人の意思決定を支援するのか。認知症の方はおそらく在宅だったり施設や病院だったり、地域の中で色々なところと関係していると思うのですが、地域全体でどのようにその思いを繋いで行けば良いのか。日頃どのようにやっている等でも構いませんので、グループでディスカッションいただければと思います。

のちほど私が皆さんの意見を聞きにまわります。最後は全体で意見共有できればと思います。(足立先生)

講演の様子

 

■ グループワーク意見まとめ(PDF・108KB)

 

こういうことを口火を切って話すことは実際難しく、どのように広げて行くか皆さんと考えて行ければと思っています。

また、住民啓発活動でACPパンフレットをもとに皆さんで話し合ったとき、なにか書いておくものはないのか?と言われる方も出てきました。そこで、行政で終活ノートを作ることになり、その中にACPの項目を設けることとしました。元気なとき、病気になったとき、終活を考えたときで3回書き込むことができる内容を盛り込んだものです。

6月末完成予定ですので、ご活用いただければと思います。(足立先生)

 

◎ 参加者:77名( 医師27名、薬剤師3名、看護師16名、リハ職6名、MSW1名、ケアマネ13名、介護福祉士2名、その他9名 )

 
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