鳥取県東部医師会 在宅医療介護連携推進室

6/24 地域包括ケア専門職“絆”研修 ③「看取りの時期(終末期の支援)」を開催しました

仮想の事例を通して専門職の役割、多職種連携の重要性を学び、実践につなげていくことを目的に、多職種研修会の3回シリーズを今年も実施しています。今回2クール目、最後のテーマの研修③を実施いたしました。

(東部地区在宅医療介護連携推進協議会:多職種研修WG企画)

◆研修のねらい

・在宅療養を支援する多職種がつながり、研修の成果を住民に還元する

・医療介護福祉関係者が顔を突き合わせ、在宅療養の基礎、互いの職種の特徴などを学び、話し合い、連携を深めていく

◆各シリーズのテーマと実施日

①「病院から在宅へ(退院支援)」   1月21日(日)

②「在宅療養中(生活支援)」     4月22日(日)

③「看取りの時期(終末期の支援)」  6月24日(日)

 

“ 絆 ” 研修 ③「看取りの時期(終末期支援)」を開催しました

■ 日時 平成30年6月24日(日)  9:15~12:30

■ 場所 東部医師会館3階研修室

 

挨拶

東部地区在宅医療介護連携推進協議会 副会長足立医師から開会挨拶そして本研修会のモデルとなった在宅医療の体制についての説明があり研修が開始となりました。

本研修のデレクターとファシリテーター8名の紹介後、アイスブレーキングでスタート。「最近楽しかったこと」をテーマにペアで自己紹介後、グループ内で他己紹介です。

アイスブレイク1  アイスブレイク2

( 阪本亜百美ファシリテーター:小規模多機能型居宅介護 木守舎 )

今回の研修メッセージとワーク①の症例経過が説明されます。在宅療養の主人公は、食事がほとんど取れなくなったり、動けなくなったりします。

説明 説明

◆ グループワーク①

「点滴や胃瘻などの栄養管理(行わないとも含めて)についてどのように考えますか。」

( 医療スタッフ、介護スタッフそれぞれの立場で考えてみましょう )

グループワーク1  グループワーク2

 

( 発表内容の一部 )

・点滴や胃ろうのメリットデメリットを家族にきちんと伝えることが必要。

・胃ろうをしたくないという本人の気持ちを尊重する。最期までの時間をいかに安らかに過ごしていただけるか、本人の気持ちを皆で共有し支援していく。

・かかりつけ医が在宅での看取りに慣れておられるか。医師も含めた医療介護スタッフの意見が一致していなければ、家族にイメージしていただく方向が定まらないため、家族へ話をする前に多職種が意見をまとめておく必要がある。本人家族とスタッフの気持ちのすり合わせを行う。

・意思決定しても揺らぐことが多いと聞く。関わった人が情報共有し、ケアマネが主となり思いをまとめ、ひとつの方向に向かって行く。

・すぐ亡くなるという状況ではないと思われるので、嚥下訓練の検討をするなど改善の模索を行う。点滴については、しないと決めた場合に他に何かをするわけではない。その辺りの説明をしっかりと行う。

グループワーク1  グループワーク2

 

発表後足立医師より、人工的水分・栄養補給(AHN)について、AHN導入に関する意思決定、いのちについてどう考えるかなど、倫理的側面も含めレクチャーがありました。その後会場から「亡くなられる前点滴など行わないということは本当に苦痛がないのだろうか?」と質問がありました。参加者の考えも苦痛があると思う・ないと思うがそれぞれ半々に別れました。在宅医療の現場を支えている医師3名がそれぞれ答えてくださいました。( 質疑応答 )(PDF・99KB)

( 本研修の終わりに、足立医師より 資料「これからの過ごし方について」の12ページに脱水ついて書かれていることが案内されました )

質疑応答

 

ワーク②は、プレゼンターが村上志奈ファシリテーター(訪問看護ステーションおざき 看護師)に交代し「死が近づいた時の対応」で症例のその後の経過、予後が説明されます。

レクチャー

 

◆ グループワーク②

「死が近づいた時に医療介護チームとして、どのような対応や配慮をしたらよいでしょうか」

(本人に対する医療・介護それぞれのケア)・(家族に対する医療・介護それぞれのケア)

レクチャー レクチャー

( 発表内容の一部 )

◇本人に対するケア

・本人が意思疎通できなくなっても、丁寧な声掛けを行い支援していく。身体症状に対するケアも、できるだけ苦痛のないように、負担のないように。

・本人の苦痛が和らぐような対応を考える。最後まで声は聞こえているといわれているので、声掛けの重要性、スキンシップを行い安心できる体制を整える。

◇家族に対するケア

・今後起こり得る事を具体的に説明する。長男に同席いただく。マッサージやリラックスできるものを用意するなど家族ができることをしていただき、看取りに対しての達成感、満足感を得てもらう。あとでこうすれば良かったという気持ちを減らす。

・ターミナルになった時、妻がどこまで関わっていくか。(ひげそりとか口腔ケアなど)その辺りを話し合う必要がある。

・看取りの時にどのタイミングでどこに連絡すればよいか、具体的なところを家族が分かるように話しておくことが大切。

・家族の不安を聞いてあげる。葬儀など全てが終わった後に一番体の負担が出てしまう妻へのフォローも大切。

発表 発表

 

全体発表後、死が近づいたときの患者さんの状況や、私たちが理解し、行動すべきことについてレクチャーがあり、“絆”研修③は終了です。

発表

 

■ 参加者アンケートの結果 (PDF・275KB)

 

■■■ 今回17名の方が全3回シリーズの“絆”研修を修了されました。

全ての研修を受講された人には、修了証と缶バッジが渡されました。

受講生を代表し、福山真由美さん(八頭社協八東支所)と大西佐智子さん(鳥取生協病院)がステージ上で足立医師より修了証を受け、感想を話していただきました。

修了証授与 修了証授与

修了証

集合写真

 

◎ 研修参加者68名(ファシリテーター、多職種研修WG委員、事務局含む)

 ( 医師4名、歯科医師1名、薬剤師2名、保健師・看護師30名、PT2名、OT2名、ST1名、栄養士2名、

社会福祉士・相談員2名、ケアマネ11名、ケアプラン点検指導員1名、介護福祉士5名、管理者1名、

認知症地域支援推進員1名、柔道整復師1名、その他2名 )

◎ ファシリテーター、多職種研修WG委員、協議会事務局 計19名

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