研究会の場を通した医療・介護にまたがる様々な情報の共有、相互の連携を深めることを目的に、多職種事例検討会を開催しています。
■ 「事例を通した医療・介護連携の情報共有・知識向上」
■ 「研究会参加による、医療・介護関係者の顔の見える関係づくり」
◆ 第17回(令和元年5月22日)19時~20時30分
◎ 松浦会長挨拶
みなさんこんばんは。新しい年度、新しい令和を迎え、みなさん大変お忙しくていらっしゃる中お集まりいただきありがとうございます。この会は地域包括ケアを有機的に推進していくための多職種連携による事例の検討会です。
今日は、特に最近活躍が目覚ましい訪問リハビリテーションについて勉強する機会が得られたことを嬉しく思っています。地域包括ケアを推進していくためには訪問リハビリの活躍が今後増々期待されているわけですが、リハ職をはじめ多職種の方々が、今回の事例を通して深くこのリハビリの効用について身を持って感じることができる機会となるのではと期待しております。
◎ さとに訪問リハビリテーション 安住 慎太郎 氏(世話人)
みなさんお忙しいところお集まりいただきありがとうございます。この会は、事例を通して皆さんとの情報共有、コミュニケーションをとる場として活用いただければと思っています。今回は訪問リハビリをテーマに、さとに田園クリニックの米井さんにお話いただきます。
今朝の新聞に、ケアマネの資格についての記事が掲載されていました。仕事量の多いケアマネの成り手が少なかったり、問題点が多々出てきています。その中で訪問リハビリは、重度の方だけでなく、自立支援を着眼点に置いて関われる職種であると思っています。そういった内容も含め、米井さんにお話しいただきますので私も楽しみにしています。それではよろしくお願いします。
◆ 演題: 訪問リハビリを通して利用者さんの役割を見出し卒業に繋げられたケース
◆ 演者: さとに訪問リハビリテーション 米井 亮二 氏(理学療法士)
( 講演概要 )
80代女性、要介護2。実施していた訪問リハの終了間近、自宅内で転倒し右肋骨骨折で入院。退院後、身体機能の低下に伴い本人の意欲が低下していた。そこでまずは、自宅内移動を目標にリハビリを行うことで徐々に自信をつけていただき、病前の生活に戻れるようリハビリを実施。ICF(国際生活機能分類)を活用し、前向きな改善方法、治療プログラムを組んだ。
身体的機能へのアプローチはもちろん、心理面にもアプローチすることでリハビリ効果が倍増するのではないかとあらためて感じた事例であった。
また、訪問リハビリについての説明(サービスや条件など)、鳥取県の現状(高齢者人口や介護保険費用など)についてもお話いただきました。
このあと、事例をもとにグループディスカッションを行いました。
( 安住さんより )
たくさんの意見をありがとうございました。リハビリ職がICFを使ってなにを考えているのか、このような場面を見る機会は少ないと思います。こういったかたちでざっくりではありますが、訪問リハビリテーションへの理解、リハビリ職の考えていることを感じていただけたのではないかと思います。
◎ 世話人 乾俊彦先生(乾医院 院長)より
ICFを利用されていることを初めて知りました。在宅の場合は通所リハと違い、現場での分析とそれに対応した発想やリハを組み立てていただくというメリットがあります。非常に良いことだと思うので積極的に利用したいと思います。
当院だけかもしれませんが、訪問リハを頼む方はデイサービスを利用したくない方が多いように思います。最初は介護保険を利用するものの、集団はいやなので何かリハビリはありませんかということで利用しています。訪問リハビリを行うことによって自立できてくる方もおられ、非常に助かっています。
ただ、リハの指示書については、どういったことを書けばよいのか分かり難く苦労しています。具体的に、リハ側の要望としてどのようなことを書いてほしいのか、指示する側にも反映させていただければと思います。
本日は非常に勉強になりました。ありがとうございました。
◎ 担当理事コメント
ドクターにとってはICFはなじみの薄いもので、大変勉強になりました。ともに患者さん、利用者さんの前向きな人生に貢献できるようご協力をぜひお願いしたいと思います。本日はどうもありがとうございました。
◇ 参加者:46名
( 医師6名、薬剤師1名、看護師・保健師7名、介護支援専門員9名、理学療法士14名、
作業療法士5名、言語聴覚士・福祉用具プランナー 各1名、事務職3名 )