鳥取県東部医師会 在宅医療介護連携推進室

3/7 第12回 東部在宅医療・介護連携研究会(多職種事例検討会)を開催しました

研究会の場を通した医療・介護にまたがる様々な情報の共有、相互の連携を深めることを目的に、多職種事例検討会を開催しています。

■ 「事例を通した医療・介護連携の情報共有・知識向上」

■ 「研究会参加による、医療・介護関係者の顔の見える関係づくり」

 

◆ 第12回(平成30年3月7日)19時~20時30分

 

◎ 松浦会長挨拶

皆さんお忙しいところお集まりいただきありがとうございます。

医療介護の連携が必要な困難な事例は多々あります。初期段階で医療や介護のお世話にならなくていいよという人に対して、ずっと元気であればいいが、そのまま最期までのケースもあり、そういうことにならないようにアプローチしていかなければなりません。認知症があるとなかなか医療や介護が受け入れられない方もおられます。

今回の事例でも、どのようなアプローチをしていけば良いのか、皆さん顔の見える関係でディスカッションいただき、充実した会になればと思います。

 

◎ 演題: 介護サービス拒否「私は誰の世話にもなりません!! 」にどう対応しますか?

~閉じこもり高齢者との関わり~

◎ 演者: 小規模多機能型居宅介護いくのさん家 宇野 弘哲 施設長

● 事例提示:鳥取市地域包括ケア推進課 秋田 和秀 主幹

講演の様子

長男夫婦と暮らしている88歳女性。歩いて健康教室に通うなど健康志向が強かったが、急に教室への参加が減り、徐々に閉じこもるようになった。同時に物忘れも目立つようになる。介護保険のサービス利用を勧めるが、本人は頑なに拒否。その後、心配した長男が包括へ相談。5年ほど家に閉じこもっており、食事はできるが入浴は拒否、物忘れもひどくなったとのこと。

包括が自宅訪問するが、会話はなんとかできるが、外出や介護保険サービスの話になると攻撃的になる。

家族が無理やり受診に連れていき、アルツハイマー型認知症と診断され要介護2となった。

 

■ グループディスカッション

(課題)事例の女性は外出やサービス利用を拒否しています。

ご家族は、閉じこもっているこの現状を何とかしてほしいと考えています。

◆このような閉じこもりの高齢者に関わるために、どのような支援が考えられますか?それぞれの専門職の立場から考えてみて下さい。

◆第12回世話人の多林康子介護支援専門員(河原あすなろ居宅介護支援センター)の司会により、上記課題でグループディスカッションが行われた。活発なディスカッションの後、意見発表も行われた。

 意見発表後、宇野講師より実際の対応として、やすらぎ支援員の介入で約半年後に介護サービスにつながったことと、関わりを持った小規模多機能型居宅介護の説明があった。

講演の様子

 

■ グループワーク意見まとめ(PDF・111KB)

 

◆第12回世話人(まとめ)

・皆木真一 医師(鳥取生協病院 院長)

皆さん今回のような事例経験があるのか、どのグループのご意見をとっても、うまく結果に繋がるのではないかなと思いました。

このような複雑な問題は、サービスをいれる前に今の状態を安定させることが第一です。特に認知症の方の場合、本人を傷つけないようコミュニケーションをとり、次のステップに進める事が大切です。

地域にはいろいろな事業所や事業がありますが、地域のリソースはなかなか把握しきれませんので、こういった会はそれを知るための良いきっかけにもなります。本当は若い医師達にこそ学んでほしいと思っています。

今回は皆さんのご意見や宇野さんの発表でとても良い会になりました。また、司会の多林さん、担当の秋田さんにもお礼を申し上げたいと思います。本日はありがとうございました。

講演の様子

 

◎ 参加者:51名( 医師5名、薬剤師4名、看護師7名、PT2名、社会福祉士・MSW4名、ケアマネ22名、

介護福祉士3名、その他4名 )

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