鳥取県東部医師会 在宅医療介護連携推進室

3/17 地域包括ケア専門職“絆”研修③「看取りの時期(終末期の支援)」を開催しました

仮想の事例を通して専門職の役割、多職種連携の重要性を学び、実践につなげていくことを目的に、多職種研修会の3回シリーズを今年も実施しています。今回3クール目、最後のテーマの研修③を実施いたしました。

(東部地区在宅医療介護連携推進協議会:多職種研修WG企画)

◆研修のねらい

・在宅療養を支援する多職種がつながり、研修の成果を住民に還元する

・医療介護福祉関係者が顔を突き合わせ、在宅療養の基礎、互いの職種の特徴などを学び、話し合い、連携を深めていく

◆各シリーズのテーマと実施日

①「病院から在宅へ(退院支援)」  平成30年9月24日(月)

②「在宅療養中(生活支援)」    平成30年11月11日(日)

③「看取りの時期(終末期の支援)」 平成31年3月17日(日)

 

“絆” 研修③「看取りの時期(終末期支援)」を開催しました

■ 日時 平成31年3月17日(日)9:15~12:30

■ 場所 東部医師会館3階研修室

 

挨拶

東部地区在宅医療介護連携推進協議会 副会長足立医師から開会挨拶そして本研修会のモデルとなった在宅医療の体制についての説明があり研修が開始となりました

本研修のデレクターとファシリテーター8名の紹介後、アイスブレーキングでスタート。「挑戦したい事」(挑戦している事)をテーマにペアで自己紹介後、グループ内で他己紹介を行いました。

アイスブレイク   アイスブレイク

(金谷佳寿子ファシリテーター:認知症地域支援推進員 地域でくらす会)

 

今回の研修メッセージとワーク①の症例経過が足立医師から説明されます。在宅療養の主人公は、食事がほとんど取れなくなったり、動けなくなったりします。

説明 説明

◆ グループワーク① 点滴や胃瘻などの栄養管理(行わないとも含めて)についてどのように考えますか。

(医療スタッフ、介護スタッフそれぞれの立場で考えてみましょう)

グループワーク   グループワーク

(発表内容の一部)

・胃瘻はしないという本人の意思を尊重する方向で良いと思うが、妻の気持ちを本人に伝え、再度本人の意思を確認してもよいのではないか。

・本人の状況によって選択肢を変えられるということを家族に説明する。家族の気持ちが割れているので、ケアマネや訪問看護師などがお話して足並みをそろえることも大切。

・医療職からすると点滴も延命治療になるが、一般の方は延命治療だと思っていないことが多い。小さな日常的な処置について話し合うことがポイント。栄養をつけてあげたいと思う妻の気持ちは、元気になってほしいということではなく、苦しみのないようにしてほしい、家族が辛くないようにしてほしいということだとは思うが、その発言の意味についてアセスメントを行う。

・苦痛の緩和に努め、できるだけ穏やかに生活できるよう、毎日関わる人たちが丁寧に説明し支援する。

・本人が納得いくよう何度も話し合う。ドクターから、ポートや点滴、胃瘻のメリットデメリットなどと予後の説明をしていただき、納得してもらったうえで進めていく。

・グリーフケアをした時に、あの時ああしておけば良かったという後悔がないよう、本人、家族、スタッフが「良かった」という最期が迎えることができれば良いと思う。

グループワーク   グループワーク

 

発表後、人工的水分・栄養補給(AHN)について、AHN導入に関する意思決定、いのちについてどう考えるかなど、倫理的側面も含めレクチャーがありました。

レクチャー

 

ワーク②のプレゼンターは、山根綾香(看護師 鳥取市立病院)ファシリテーターで「死が近づいた時の対応」について行われました。症例のその後の経過です。主治医は予後1週間以内だろう判断し、説明した状況です。

グループワーク

 

◆ グループワーク② 死が近づいた時に医療介護チームとして、どのような対応や配慮をしたらよいでしょうか

(①本人に対する医療・介護それぞれのケア)・(②家族に対する医療・介護それぞれのケア)

グループワーク   グループワーク

◇ ①本人に対するケア

・本人の苦痛の緩和、新たな苦痛を発生させないようにケアをする。たとえばポジショニングや口腔ケアなど専門職のスキルを使用する。

・聴覚は最後まで残るので本人に話しかけたり、日々の観察はもちろん、手をさすったり足をさすったりすることも大切。

・自宅にいるので、近隣の方や仲の良かった方にも来ていただくなどふれあいも大事。

◇ ②家族に対するケア

・今後予測される変化や反応を家族へパンフレットなど利用して説明する。(今の状況と家族の思いとのギャップを少なくするように情報を伝えていく)また「こういう状態になったら先生や看護師さんへ伝えましょう」といったところも確認しておく。訪問看護も在宅医も24時間体制なのでいつ連絡してもらっても大丈夫ですよと安心感を持っていただく。

・看取りの場面が近くなると医療職がサポートすることが多いが、介護職しかできないこと、それぞれの職種だからできることを考える。本人のことを知っているみんなで関わっていく。

・事前に緊急連絡先を確認し、整理しておいてもらう。看取りをしたあとは、家族へねぎらいの言葉をかける。我々もカンファレンスをし自分たちの行動を振り返ることが大切。

グループワーク   グループワーク

 

全体発表後、死が近づいたときの患者さんの状況や、私たちが理解し、行動すべきことについてレクチャーがあり、“絆”研修③は終了です。

レクチャー

 

■ 参加者アンケートの結果 (PDF・267KB)

 

今回14名の方が全3回シリーズの“絆”研修を修了されました。

全ての研修を受講された人には、修了証と缶バッジが渡されました。

受講生を代表し、林伸嘉さん(鳥取市東居宅介護支援センター)、宗元郁子さん(鳥取県立中央病院)、片山恵子さん(ガーデンハウスはまむら)がステージ上で足立医師より修了証を受けとり、感想を話していただきました。

グループワーク  グループワーク  グループワーク

 

休憩直後の笑顔です

集合写真1

 

終了後の笑顔です

集合写真2

 

◎ 研修参加者58名(ファシリテーター、多職種研修WG委員、事務局含む)

 ( 医師5名、薬剤師3名、保健師・看護師21名、ケアマネ15名、PT・OT・介護福祉士・生活支援コーディネイター 各2名、

ケアプラン点検指導員・管理者・行政職・認知症地域支援推進員 各1名、その他2名 )

◎ ファシリテーター、多職種研修WG委員、協議会事務局 計14名

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