鳥取県東部医師会 在宅医療介護連携推進室

2/28地域包括ケア専門職“絆”研修③「看取りの時期(終末期の支援)」を開催しました

地域包括ケアシステム構築を目指す医療介護福祉関係者を対象に、多職種連携研修会(3回シリーズ)を開催しています。今年度は第5回目となります

今回は、前回に引き続いて完全オンラインで開催しました。スタッフ、参加者とも少しずつオンライン研修に慣れてきて、積極的な意見交換や全体共有ができ、多職種連携につながる研修会となりました。

(東部地区在宅医療介護連携推進協議会:研修支援WG企画)

◆研修のねらい

・地域包括ケアシステムを理解する

・在宅療養を支援するための多職種の役割を理解する

・住民の利益を考えた効果的な多職種連携について学ぶ

◆各シリーズのテーマ

①「病院から在宅へ(退院支援)」

②「在宅療養中(生活支援)」

③「看取りの時期(終末期の支援)」

 

第5回“絆”研修②「在宅療養中(生活支援)」を開催しました

■ 日時 令和3年2月28日(日)9:15~12:15

■ 会場 オンライン研修

■ プレゼンター

在宅医療介護連携推進協議会副会長 足立誠司医師(鳥取市立病院医師)

在宅医療介護連携推進協議会ファシリテーター 山根綾香看護師(鳥取市立病院)

 

< 研修の経過 >

開 会 挨 拶 足立誠司 医師 在宅医療介護連携推進協議会副会長

足立医師から開会挨拶、本研修会の目的の説明があり、研修が開始となりました。

アイスブレーキング

「コロナ禍での私の新たな挑戦」をテーマに、各グループごとにブレイクアウトルームで自己紹介を行い、オンライン研修の緊張を和らげつつ、グループワークの記録の共有などを確認し合いました。

アイスブレイク

 

事例紹介・グループワーク① 足立医師

今回の看取りの時期(終末期支援)の研修メッセージを確認した後、事例紹介

事例紹介

 

◇ 事例紹介

脳梗塞後遺症の夫と妻の高齢者二人暮らし、夫は心不全・誤嚥性肺炎で入退院を繰り返していましたが、食事がほとんど取れなくなり、動けなくなった事例に対して、ACPについての本人・家族の思いを共有した後、グループワークを行いました。

 

◇ グループワーク①

点滴や胃瘻などの栄養管理(行わないことも含めて)についてどのように考えますか。

医療スタッフ、介護スタッフそれぞれの立場で考えてみましょう。

 

◇ 全体共有

各グループで議論した内容について、全体共有で深めました。

・本人の言葉は重みをもつ。尊重したい。

・本人、家族の気持ちは決定していても変わることがあることを理解する。

・予後についてストレートに言われるとつらい部分もあるので、話し方の配慮が必要。

・看取りまで継続していくために介護負担が軽減できるよう、近くの親戚や地域の人も含めて協力体制を整える。(地域力)

ワーク

 

発表後、人工的水分・栄養補給(AHN)について、AHN導入に関する意思決定、いのちについてどう考えるかなど、倫理的側面も含め、足立医師よりレクチャーがありました。

ワーク

 

グループワーク② 山根看護師

◇「死が近づいた時の対応」

「死が近づいた時の対応」について考えるワーク②では、山根看護師より、状態が悪化してきた本事例の経過の説明のあと、グループで話し合いました。

死が近づいた時に医療介護チームとして、どのような対応や配慮をしたらよいでしょうか。

〇本人に対する医療・介護それぞれのケア

〇家族に対する医療・介護それぞれのケア

 

◇ 全体共有

各グループで議論した内容について、全体共有して深めました。

・本人、家族のそれぞれに対して、丁寧な精神的ケアが大切(不安に対する説明とアドバイス)

・本人、家族も含め医療介護スタッフとともに一つのチームであり、情報共有して対応する。

・本人へのケアとして近しい友人や隣人との関係を大切にし、訪問して声をかけてもらう。

・家族の気持ちの揺れ動きに対し、やってきたことを一緒に共有してねぎらう。

・これから起こりうる変化を丁寧に説明し、疑問や不安にこたえる。

・残される家族への配慮。県外の家族への配慮。

・本人に対して、趣味のカメラの映像をみてもらい、思い出話をするなど。

ワーク

 

全体発表後、死が近づいたときの患者さんの状況や、私たちが理解し、行動すべきことについて山根看護師よりレクチャーがありました。

ワーク

 

最後は、「このような文化を作っていくということが、少しずつでも、この地域ですすんでいけたらいいな」という思いで、参加者全員で笑顔の写真を撮り、研修会を終了しました。

◎参加者の感想(抜粋)

・看取りについて、医療・介護それぞれの立場での意見を聞くことができ、とても参考になりました。そして、本人や家族も交えて、最期の時まで多職種がコミュニケーションを取り合うことが大切であることがわかりました。

・住民の人々を支える多職種の方の熱い思いに触れ、改めて連携していくことの大切さを感じました。

 

修了者の紹介と感想 まとめ 閉会

今回の研修受講で、3回シリーズすべて修了した人は13名でした。オンライン研修のため、今回は修了証と絆缶バッジは後日郵送となりましたが、修了者の長尾真弓様(鳥取市)と青木潤一郎様(デイサービスあらいぶ)に一言感想を述べていただきました。

ワーク  ワーク

◇ 修了者の感想

・絆研修に参加させていただき、支援者自身も支え合って成長し合えるプロセスがありがたい場だなと感じている。この経験が実際の支援で活きてくるよう日々取り組んでいきたい。

・3回の研修で、ひとりの人の人生を通じて、本人、家族、医療介護スタッフそれぞれの立場や気持ちを具体的に知ることが出来た。これからチームの一員として、どう働きかけどのように貢献できるかについて、考えるきっかけになった。本人、家族、スタッフにとって、役にたっていけるよう実践につなげていきたい。

 

ワーク

 

終了後は、スタッフ全員で研修全体をとおした振り返りを行い、次回開催に向けて気持ちを新たにしました。

ワーク

 

 

■ グループワーク①②のまとめ (PDF・89KB)

■ 参加者アンケートのまとめ (PDF・280KB)

 

◎ 研修参加者40名(ファシリテーター、研修支援WG委員、事務局含む)

医師 4名、看護師・保健師 16名、PT・OT 4名、ケアマネ 9名、MSW 2名、認知症地域支援推進員 1名、

地域支え合い推進員 1名、行政職 3名

◎ スタッフ:プレゼンター、ファシリテーター、研修支援WG委員、協議会事務局 計15名

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