研究会の場を通した医療・介護にまたがる様々な情報の共有、相互の連携を深めることを目的に、多職種事例検討会を開催しています。
■ 「事例を通した医療・介護連携の情報共有・知識向上」
■ 「研究会参加による、医療・介護関係者の顔の見える関係づくり」
◆ 第7回(平成28年12月2日)19時~20時40分
◎ 松浦会長挨拶
今回は、いち早くICTを取り入れた「にしまち診療所悠々」と、困難事例の対応についてのお話です。共通して言えることは、多職種が連携する、ICT活用等での情報共有、困難事例に立ち向かっていくこと、こういったことが大きなテーマとなります。
今回もしっかり勉強していただければと思います。
◎ 演題1: 「にしまち幸朋苑におけるICT活用の現状」
◎ 演者1: にしまち診療所悠々 岸清志 先生
平成25~26年度に、にしまち幸朋苑で実施された在宅医療連携拠点事業で取組まれた、ICTを活用しての多職種間の情報共有についての紹介、また今後のICT活用についての考察について講演がありました。
(ICT活用の現状については、後日別に紹介します。)
◎ 演題2: 「社会との接点が乏しい要介護者への関わり」
◎ 演者2: あすなろホームヘルパーステーション 原田江利子 介護福祉士
要介護1で退院後サービス利用を拒否、社会との関わりもなく在宅療養していた家族。親族からの相談で再度認定申請、訪問介護につなげたが、高齢配偶者と引きこもりの子との関わりが難しかったケース。他にどのような関わり方があったのかをグループディスカッションし意見発表した。
■ 退院時の担当ケアマネジャーコメント
金銭的(年金)には余裕あり。当初は民生委員さんも情報がなかったようで、こちらに聞いてこられた。民生委員、かかりつけ医とは配偶者が関わっていた。子に保健師が関わっていれば然るべき対応がとれたかもしれない。子は理屈っぽく自己中心的で、説明しても納得してもらえず言い返される。子を無視して強引にできたかもしれないが、無視することもできず今日に至る。今は保健師さんが関わっていると思う。子の支援に力を入れた方が良いと思う。チームで支援すればよかった、独りよがりになっていたかもしれない。
■ 参加医師(精神)のコメント
精神科訪問看護を入れるという方法で、情報収集して精神科に繋がる人間関係を作り出すというのも良いと思う。ただ本人さんは拒否されると思いますし、受診実績がないと難しいと思うので、要介護者の認知症の面で精神科訪問看護を依頼し、訪問看護師やワーカーが家族のお役に立つ存在と感じてもらい、精神科医療や精神科保健福祉サービスへの信頼感を得るという入り方が良かったのかもしれない。
精神医療のところで話題になっているのは、問題が発生した場合に、精神保健関係者が押し掛け、本人参加でカンファレンスを行う中で解決策を探っていき、医療保険を使っていく。本人が見ている中で専門家が話し合ううちに、本人の症状が取れ変化し、問題解決に繋がっていくという手法がある。アウトリーチでは実践を始めている地域もある。
今日この事例を聞き、鳥取にもこのようなニーズがあるのだなとあらためて感じました。
▼ にしまち診療所悠々 岸 清志 先生(第7回世話人)の閉会挨拶
このような難しいケースでは、地域ケア会議でいろいろな職種が集まり話し合い、一人で抱え込まないということが重要ではないか。
◎ 参加者:52名
(医師7名、歯科医師1名、薬剤師1名、保健師看護師5名、ST1名、管理栄養士1名、MSW・相談員3名、
ケアマネ18名、訪問介護員等4名、その他11名)