研究会の場を通した医療・介護にまたがる様々な情報の共有、相互の連携を深めることを目的に、多職種事例検討会を開催しています。
■ 「事例を通した医療・介護連携の情報共有・知識向上」
■ 「研究会参加による、医療・介護関係者の顔の見える関係づくり」
◆ 第19回(令和元年11月13日)19時~20時30分
◎ 松浦会長挨拶
みなさんこんばんは。お忙しいところお集まりいただきありがとうございます。
この事例検討会は、地域包括ケアシステムの構築に向け具体的な取り組みを発表いただき、皆さんで検討いただく会です。
自宅で生活を続けたいと多くの方が望んでいる一方、介護力の不足などでそれが果たせない方もいらっしゃるのが現状です。
今回は訪問看護など多職種によって、在宅生活の支援をしていただく観点で発表をいただきます。充実した事例検討会になりますことを期待しています。
◎ 鳥取生協病院 院長 皆木 眞一 先生(世話人)
本日は、初めに事例を発表いただき、私は最後にコメントを述べさせていただきます。
◆ 演題: 「自宅で生活を続けたい」本人と家族の意向に寄り添う
◆ 演者: 鳥取福祉会 鳥取市東居宅介護支援センター 介護支援専門員 坂尻 友美 氏(世話人)
きずな訪問看護リハビリステーション 看護師 岸田 優子 氏
鳥取福祉会 訪問介護ステーション サービス提供責任者 岩見 智子 氏
( 講演概要 )
90代、要介護3の独居女性。娘2人は県外在住で、長女が毎月2週間程度帰省している。将来的に長女と同居予定ではあるが、お互いにストレスが強く同居を決めかねている状態。長女が自宅に戻り本人1人になると、自分の居る場所や何をどうしたらよいかわからない状態が数日間続いてしまう。反面、一緒に過ごすことで本人の体調が安定し、関係者の連携も図りやすくなっている。
医療、看護、リハビリ、介護の多職種が連携し、一人での生活を続けたいという本人の思いと、それを叶えてあげたい家族の思いに寄り添い、現在も支援を行っている事例。
(グループワーク)
本人が在宅でよりよく生活するためにどのような支援が考えられますか?
それぞれの専門職の立場から考えてみて下さい。
( 坂尻世話人より )
貴重なご意見をいただきありがたいです。これは現在進行形の事例ですので、もっといろいろなことをチームで考え共有し、長女さんの思いも確認しながら支援していきたいです。
今日いただいたご意見を明日からの支援に反映させていただけるようにしていきたいと思います。ありがとうございました。
( 皆木先生より )
皆さんありがとうございました。遠距離介護についてネットで調べてみたところ、注意点やポイントがいくつか出てきました。無理しないこと、地域のサービスをうまく使う、ご近所との付き合いを大切にする、成年後見人制度の活用などで、今日、皆さんからの意見としても出てきましたし、成年後見制度についてのお話は非常に参考になりました。
厚労省は平成28年から、仕事と介護の両立を目指した取り組みを行っており、ホームページには「仕事と介護の両立のポイント、あなたが介護離職しないために」といったパンフレットや事例などが掲載されています。事例は仕事と介護の両立といった視点からまとめられ、11事例中2事例が遠距離介護でした。やりがいや自分の生活を犠牲にせずにどうしたらできるのか、離職をしないということがポイントとなっており、参考になると思います。
今回のテーマを事前に聞いたとき、これは難しいなというのが正直なところでしたが、今日の討論は豊かな討論になったなと感じています。
引き続きこういった会でこういった事例を通し、討論し学んでいくことが大切なのではと思います。鳥取福祉会、きずな訪問看護、関わったクリニック、薬局の皆さん方のチームは多職種協働で素晴らしい活動だったと思いますので、みなさんに拍手をお願いします。
◇ 参加者:68名
( 医師12名、薬剤師3名、看護師15名、介護支援専門員21名、介護福祉士3名、介護士2名、事務職5名、
歯科衛生士・MSW・PT・福祉用具プランナー・管理職・弁護士 各1名 )