鳥取県東部医師会 在宅医療介護連携推進室

平成28年度 第21~23回CBM(Community based medicine)研究会 (多職種による研究会)

平成21年に鳥取市立病院と智頭病院が中心となり立ち上げられた研究会です。

保健・医療・福祉の活動を通して、地域住民が安心・安全に暮らすことができるまちづくりに貢献する取り組みを「地域医療」と考え、地域の特性に適した医療を提供するために、地域医療に携わる方々のスキルアップと次世代の地域医療を担うスタッフの育成を目的とし、現在は鳥取県東中部圏域地域医療推進機構に参加する病院が持ち回りで開催しています。

 

平成29年度は、鳥取医療センター、智頭病院、垣田病院が幹事病院で開催予定です。

 

◆ 第23回(平成29年3月11日・社会医療法人明和会医療福祉センター 渡辺病院)

第23回研究会が開催されました。概要は、次のとおりです。

 

タイトル

 

◎ 23回目の研究会は、渡辺病院からでした。渡辺理事(渡辺病院院長)の開会あいさつの後、講演2題、その後各グループワークを行いました。

 

■ 講演1:「高齢者の自動車運転と改正道路交通法施行に関わる課題」

■ 社会医療法人明和会医療福祉センター 渡辺病院 渡辺 憲 院長

         (鳥取県東部認知症疾患医療センター センター長)

平成29年3月12日施行となる改正道路交通法で、運転免許証更新時に認知症の可能性が指摘される高齢者は、医師の診断が必要となる。関連して、認知症の評価尺度やかかりつけ医の役割など、諸課題についてご講演いただいた。

■ 講演2:「アルコール健康障害対策の鍵となる動機づけ面接の実態」

■ 社会医療法人明和会医療福祉センター渡辺病院 松村健司 精神保健福祉士

アルコール依存症について、なかなか専門機関受診につながらない現状等の説明があり、治療につなげるには対象者の行動変容プロセスの変化のステージを把握しながら動機づけを行うことが必要である。また、実際の動機づけ面接の方法についてご講演いただいた。

 

■ 事例報告:社会医療法人明和会医療福祉センター渡辺病院 谷口宏幸 精神保健福祉士

       (アルコール健康障害対策支援拠点医療担当精神保健福祉士)

■ 独居のアルコール依存症高齢者、入退院を繰り返していたが現在は断酒に成功し、外部サービスを受けながら暮らしているケース

【グループワーク】

・事例に限らず、最近の地域でのかかわりでの関心事を話し合った。

■ アルコール依存関連については、ケア会議や断酒会、通常外来でのアルコール関連患者の有無など発表があった。認知症関連では、命に関わる場面での意思決定、運転免許に替わる交通手段の必要性などが話し合われた。

全体として、地域のかかわりや多職種との連携の必要性が大きく感じられた研修会であった。

◎ 最後に濱﨑副代表理事(智頭病院長)のあいさつで閉会となりました。

◎ 参加者:40名(医師13名、保健師・看護師12名、社会福祉士・PSW・MSW12名、ケアマネ1名、その他2名)

 

 

◆ 第22回(平成28年11月6日・岩美町国民健康保険 岩美病院)

第22回研究会が開催されました。概要は、次のとおりです。

次回第23回は、2月下旬~3月上旬に渡辺病院で開催されます。

タイトル

◎ 22回目の研究会は、初開催の岩美病院からでした。神谷副代表理事(岩美病院院長)の開会あいさつの後、岩美町内での取組事例2題の報告、アイスブレークの後、事例報告とグループワークの課題提示がありました。

 

■ 取組報告1:「岩美町地域ケア会議の取組み」

■ 岩美町地域包括支援センター 三田浩史 社会福祉士

岩美町の地域ケア会議の概要について説明。

平成27年度及び平成28年度に地域課題として話し合ったテーマについても紹介。

■ 取組報告2:「施設と病院との終末期における連携」

■ アサンテ幸風(グループホーム) 小谷直紀 介護福祉士

施設での看取りを希望された入所者を施設職員と病院とが連携して施設看取りしたケースの紹介。連携を密にしたことで成し遂げられた、またその後の病院との連携もとりやすくなった。

■ 事例発表:岩美病院 可児貴彦 理学療法士

岩美町訪問看護ST 濵田裕美 管理者・前田真奈美 看護師

■ 在宅療養中の認知症状有りの慢性心不全患者。水分摂取量調整、服薬が出来ず入院となったケース

【グループワーク課題】

1.入院を回避できなかったのはなぜか?

2.退院後の支援方法は?(各サービスの使い方)

▲ グループでの話し合い結果の発表後、実際した支援について発表がありました。

■ 退院後は訪問看護を毎日入れたことで、生活状況の把握ができ生活も安定した。引きこもり気味の家族も食事や服薬のチェックなど参加いただけるようになった。事業者間も町内連携が既に出来ていたため、病院・訪看・訪リハ・ケアマネ・ヘルパーのスムーズな連携が出来た。

◎ 最後に次回開催の渡辺病院岩永事務部長のあいさつで閉会となりました。

◎ 参加者:64名(医師7名、歯科医師1名、保健師・看護師19名、PT・OT・ST 6名、管理栄養士2名、

社会福祉士・PSW・MSW8名、ケアマネ7名、介護福祉士2名、その他12名)

 

◆ 第21回(平成28年7月31日・鳥取市立病院)

第21回研究会が開催されました。概要は、次のとおりです。

次回第22回は、11月6日(日)に岩美病院で開催されます。

タイトル

◎ 重政機構代表理事(鳥取市立病院顧問・鳥取市健康・子育て推進局参与)の開会あいさつの後、足立医師(鳥取市立病院主任部長・鳥取市福祉保健部参与・東部地区在宅医療介護連携推進協議会副会長)の進行で研究会が始まりました。アイスブレークで自己紹介、他己紹介した後、事例報告とグループワークの課題提示がありました。

 

■ 事例報告:「退院後の在宅医療・介護連携に悩んだ一例」

■ 鳥取市立病院 尾崎友美 看護師

パーキンソン等既往の要介護5の高齢者が肺炎で入院。入院中に嚥下機能低下、活動も全介助となる。在宅希望であり主介護者への介護指導を行い約3Wで退院。

退院後、当初は食事摂取等問題なしだったが、些細なことの相談を誰にしてよいか分からないとの発言有り。その後食事量減少等がケアマネから連絡有り。既往のかかりつけ医受診時に胃瘻検討の説明があり家族はショックを受けたよう。姿勢変更や栄養補助食品導入など介入したが、休日に肺炎のため他病院へ緊急入院し胃瘻造設となった。

会の様子 会の様子

【グループワーク課題】

1.今後起こり得る嚥下機能低下や栄養補給の方法について考えるきっかけ作りが必要だったでしょうか?

2.家族や在宅関係者とどのような情報共有が必要だったでしょうか?

 

▲ グループでの話し合いの結果の発表、ディスカッションを行いました。

会の様子

 

■ 足立医師により、地域完結型医療・介護体制に向けての鳥取市立病院の「在宅療養後方支援病院」や「絆ノート」の取り組みなどのレクチャーがありました。また、世界で例のない少子高齢化を地域包括ケアシステムで乗り切るという目的を持ち、新たな歴史をつくる思いで頑張りましょうとお話しされました。

会の様子

 

◎ 最後に次回開催の岩美病院神谷院長のあいさつで閉会となりました。

◎ 参加者:67名(医師10名、保健師・看護師22名、PT・OT2名、管理栄養士1名、社会福祉士・PSW・MSW11名、

ケアマネ10名、介護福祉士・その他11名)

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