鳥取県東部医師会 在宅医療介護連携推進室

第41回 東部在宅医療・介護連携研究会(多職種事例検討会)を開催しました

 

研究会の場を通した医療・介護にまたがる様々な情報の共有、相互の連携を深めることを目的に、多職種事例検討会を開催しています。

■ 「事例を通した医療・介護連携の情報共有・知識向上」

■ 「研究会参加による、医療・介護関係者の顔の見える関係づくり」

 

◆ 第41回 東部在宅医療・介護連携研究会 事例検討会

◆ 令和7年11月5日 19時~20時30分 ハイブリッド 開催

◆ 演  題: 「視覚障がいと精神疾患の複合課題を抱える夫婦へのアプローチ」

        ~多職種連携と個別支援のあり方~

◆ 講  師: 鳥取福祉会居宅介護支援センター   藤原綾子 氏(主任ケアマネ)

        鳥取東地域包括支援センター     河西立世 氏(主任ケアマネ)

◆ 世 話 人:  鳥取市立病院 足立誠司 先生

          鳥取市中央包括支援センター所長 藤木尚子 氏 

 

【 開会挨拶 】

皆様、こんばんは。秋も深まってまいりました。冬に備えてのワクチン接種や、学術・スポーツのイベント等で、ご多忙のことと思いますが、本日は第41回の事例検討会にご参加くださいまして、誠にありがとうございます。

今回は、足立先生と藤木所長のお世話で、居宅介護支援事業所の藤原さんと包括支援センターの河西さんに、複合的かつ対応困難な課題を持つ事例を提示していただきます。

私たち医療あるいは介護に携わる人は、患者さん単独で対象としてとらえがちですが、特に在宅医療においては、家族による介護は非常に重要です。患者さん自身が持つ病気や人生への思いは一人ひとり異なり、家族の考え方も様々で、中には、医療介護に無関心だったり、否定的な方もおられます。また、病気を受け入れられない方もおられます。時には、結果としてこれが主たる問題点となる場合もあり、私自身のことを振り返ってみましても、さすがに身の危険を感じたことはないにせよ、そうした問題が、大なり小なり人生の、あるいは医療者としてのターニングポイントとなってきたように思います。

皆様におかれましては、本日のような事例検討会を通じて、様々な問題に対処するための知恵を、身に着けていただければ、幸いです。それでは、どうぞよろしくお願いいたします。 (松浦会長)

 

【 演題概要 】

視覚障がいと精神疾患という複合的課題を抱える夫婦の退院前から在宅支援に関わる。支援が届きにくい背景や、生活・疾患管理の困難さ、多頭飼育による生活費の圧迫など、複雑な要因を共有し、居宅介護支援事業所と包括支援センターそれぞれの立場から課題を解決できるよう関わっているケースについて講演。

講演の様子 

【グループディスカッション】

病院から退院に向けての時期と、在宅生活の時期に分け、それぞれの専門職の立場からどういった支援が可能かを考えながら、活発な話し合いが行われました。

➀~退院までと直後の初動のタイミングにおいてそれぞれの立場でどのような支援を考えますか?~

Ⅰ)医療機関から在宅に向けて支援をする過程の中でどのようなことが必要ですか?

Ⅱ)あなたがケアマネであればどのように支援を検討しますか?

②~今後の在宅生活継続においてどのような支援を考えますか?~

Ⅰ)それぞれの専門職の立場で何ができますか?

Ⅱ)必要と思われるサービスや関係機関の関わりは何がありますか?

≪意見の一部≫

・退院前カンファレンスの際に、在宅での1日のスケジュールのようなものが示せれば、退院後の生活をイメージすることができるのでは。

・退院前に試験外泊をしてもらい在宅生活をイメージしてもらうのはどうか。

・行政にも介入してもらうと良いのでは。

・夫婦の心配事を取っ掛かりにして介入していくことはできないか。

 

講演の様子

【閉会あいさつ】

皆さんの活発な討議、専門職としての意見、とても有意義な意見をいただけた。良いケアをするためには、ケアする人がケアされていないと、良いケアはできない。専門職の皆さんが、サービスの提供を一生懸命されているが、今後は、自分たちの精神面などのケアもしっかりできるような体制づくりについての議論も必要ではないかと感じた。(足立先生)

 

 

◆参加者50名(医師 5名 介護支援専門員 16名 事務職 6名 看護師 4名 保健師 4名 薬剤師 3名 介護教員・社会福祉士・ソーシャルワーカー・介護福祉士・認知症地域推進員 各2名 鍼灸師・生活相談員兼介護支援専門員 各1名)

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