鳥取県東部医師会 在宅医療介護連携推進室

平成28年度 第10~12回地域支援口腔ケア・食支援研究会(多職種による研究会)

鳥取県東部歯科医師会が、「口腔ケア」、「食支援」をテーマとした、多職種の研究会(勉強会)を開催しています。研究会の場を通して、医療・介護相互の顔の見える関係づくりや、様々な知識の向上、情報共有が行われています。

 

◆ 第12回(平成29年3月12日・鳥取県東部歯科医師会講堂)

第12回研究会が開催されました。概要は、次のとおりです。

◎ 「在宅高齢者の看取り」をテーマに、事例紹介とグループディスカッションが行われました。

会の様子

■ 事例紹介:「在宅高齢者の看取り―口蓋歯肉癌の母と娘の事例―」

■ 講師: 訪問看護ステーション ナースくる 田中洋美 訪問看護師

母娘2人暮らし。母が動こうとせず寝たきりになる。1人で世話が出来なくなり、途切れていたかかりつけ医の往診により介護申請した。医師から歯科医師に口腔ケアの依頼があり口蓋癌等が見つかるも手術不適応。できるだけ自宅との要望により、訪問看護も介入。多職種連携で食べられるようになり、ADLが向上した好事例。最期は食べなくなり1週間後に自宅にて永眠。かかわった多職種の振り返りもご紹介いただいた。

会の様子

● ①最期はどこで迎えたい?「在宅死と病院死のメリット・デメリットは?」

  ②在宅死について考える「誰に介護をしてほしいか?」

  上記2点について、グループディスカッション、発表を行った。

○ 多職種がうまく絡んで状態が改善し食べられるようになり、最期は在宅看取りとなった好事例でした。

 また、食べること、食べられることが如何に重要かも良くわかる事例でした。

最期は死が避けられません。死・看取りについて、どこがいい?何がいい?誰がいい?ということを普段から考え話し合い、残していくことの必要性、大切さを学んだ研究会でした。我々医療・介護関係者も一住民として、率先して考えなければならないと感じました。(感想:橋本)

◎ 参加者:25名(歯科医師5名、薬剤師1名、歯科衛生士7名、言語聴覚士1名、管理栄養士2名、看護師・准看護師6名、専門学校生2名、その他1名)

 

 

◆ 第11回(平成28年10月2日・鳥取県歯科医師会講堂)

第11回研究会が開催されました。概要は、次のとおりです。

◎ 「連携に困った症例」をテーマに、2症例の発表とグループディスカッションが行われました。

会の様子

■ 症例1:「自宅または、施設で過ごされている嚥下障害のある患者の食事指導の相談は誰に、どこに相談し対処するか。」

■ 講師: 急性期病院 森下看護師

誤嚥性肺炎後、ミキサー食とゼリーの交互嚥下となり施設再入所。その後本人から食事形態アップの希望があったが、施設看護師が判断に困り入院していた病院看護師に相談したケース。

今後かかりつけ医(内科医)と連携できる嚥下障害に詳しい職種の人たち(ST、栄養士、歯科衛生士、歯科医師など)の在宅支援が増えることが望ましいという意見が出た。

■ 症例2:「訪問診療希望の電話相談から背景に生活困窮がうかがえた。関係者への対応をどうするか。」

■ 講師: 東部地域歯科医療連携室 上原歯科衛生士

母親が亡くなってから歯磨きが出来ない、外出ができない40代男性からの電話相談。金銭の管理は父親で、パーソナルサポートセンターの相談員もかかわっていることがわかった。

在宅では数々の悩みを抱えている人たちも多い、今回も生活の問題が大きい。相談窓口があることは、それをきっかけに支援が始まることもある。相談窓口を広く知っていただくことは重要である。また、電話相談の難しさが浮き彫りとなった。

◎ 参加者:15名

(歯科医師2名、薬剤師2名、歯科衛生士2名、言語聴覚士1名、管理栄養士1名、看護師5名、ケアマネ2名)

 

◆ 第10回(平成28年7月24日・鳥取県東部歯科医師会講堂)

第10回研究会が開催されました。概要は、次のとおりです。

また、食支援(摂食嚥下や栄養など)を中心に研究会の分科会を行うとのアナウンスがありました。内容は10項目を5日間で実施、開催は日曜日の午前とのことです。初回は11月6日です。詳しい情報が入りましたら、東部医師会在宅医療介護連携推進室ホームページでも広報します。

 

◎ 薬の副作用には、こんなことがあるんだよという事を知ってほしい。帰ったら職場でもしかして?という気づきにつながってほしい。という東部歯科医師会伊奈垣理事の開会あいさつで研究会がスタートしました。

■ 演題:「薬剤性嚥下障害について」

■ 講師:ひまわり薬局 中嶋直己 薬剤師

高齢者は、たくさんの薬を服用されている。服薬の副作用で直接嚥下が悪くなる場合や、ディスキネジアが起きたり、口腔内乾燥が出たりといろんな悪影響があります。ぜひ知って毎日の介護・医療の提供などに活かしていただきたい。

会の様子

▲ プレゼンテーションの後は、講師から出された課題について、グループワークでの話し合いが行われました。

会の様子 会の様子

▲ グループでの話し合いの結果を発表し、講師より回答の解説がありました。

会の様子

■ 症例報告:「薬剤性嚥下障害の一例」

■ 講師:鳥取市立病院 久保克行 歯科医師

術後高齢者が持参薬の睡眠導入剤を服用したところ、ムセや吸引の回数が増えた。服用した睡眠導入剤の副作用による嚥下障害と診断し、薬の変更により症状が治まった事例の報告。

会の様子

◎ 参加者:52名(歯科医師5名、医師1名、薬剤師3名、歯科衛生士12名、言語聴覚士11名、管理栄養士5名、看護師3名、ケアマネ2名、介護福祉士・その他10名)

戻る

▲トップへ