鳥取県東部医師会 在宅医療介護連携推進室

第36回 東部在宅医療・介護連携研究会(多職種事例検討会)を開催しました

研究会の場を通した医療・介護にまたがる様々な情報の共有、相互の連携を深めることを目的に、多職種事例検討会を開催しています。

■ 「事例を通した医療・介護連携の情報共有・知識向上」

■ 「研究会参加による、医療・介護関係者の顔の見える関係づくり」

 

◆ 第36回 東部在宅医療・介護連携研究会 事例検討会

◆ 令和6年8月9日 19時~20時30分 ハイブリッド開催(東部医師会館・Zoom)

◆ 演 題: 在宅・施設における口腔管理のポイントと効果 -食事支援の充実を目指して-

◆ 講 師: 国民健康保険智頭病院 久保 克行 先生(歯科医師・世話人)

特別養護老人ホーム智頭心和苑 所長 髙田 昌史之 氏

◆ 世話人: 栄町クリニック 松浦 喜房 先生

 

【 開会挨拶 】

皆さんこんばんは。暑い日が続いていますが、パリオリンピックの熱戦に睡眠不足の方もいらっしゃるのではないかと思います。お盆前のご多忙のところ第36回の事例検討会にご参加いただきありがとうございます。新型コロナウィルス感染症の第11波が到来し、県内感染者や高齢者施設のクラスターも増加が続いています。基本的な感染対策に注意を続けて行くことも大切であり、医療・介護の連携を密にしていく必要性を感じています。皆さまの日々のご努力に感謝申し上げます。それでは本日の事例検討会、どうぞよろしくお願い致します。

【 講演概要 】

・特養、老健入所者の口腔状況(歯の状態が悪い方や食べこぼしをする方が多い)、歯科検診実施割合(約5割)、口腔ケアによる効果(口の状態や飲み込みが良くなる)、課題(時間や人手、口を開けてくれない)

・口腔衛生管理の方法について(口腔アセスメントOHATの利用、保湿ジェル)

・要介護者における歯科治療について(患者さんと情報共有し、どこまで治療するか家族や医療介護従事者を交えて相談する)

【 事例提示 】

・施設内での肺炎予防のため、多職種(歯科医師、歯科衛生士、看護職、介護職、介護支援専門員、栄養士、機能訓練指導員)で協働し取り組んだ事例を紹介。

・取り組み内容について(口腔内評価基準と評価に基づいた計画、口腔ケア技術向上と口腔疾患予防及び治療、口腔ケア物品統一と物品管理の徹底)。

・結果、OHAT項目が改善され、肺炎罹患率も減少。今後は持続可能な口腔ケア体制を構築し、知識を深め多職種と連携しながら肺炎発症率を更に軽減させたい。また、ケアプランと連動させ個別性のある口腔ケアを実施していく。

講演の様子  講演の様子

 

【 グループワーク 】

在宅・施設での口腔管理の状況について

*食事後の口腔ケアはできているが、個別のケアは難しい。(デイサービス)

*家族が口腔管理をされているため、指導や物品選定ができたりできなかったり。(訪問サービス)

*本人家族が誤嚥性肺炎の怖さを知らない。指導ができれば。

*歯科受診や口腔ケアの拒否やご家族の理解が得られないときどう歯科受診に繋げるか。特に費用面。

*口腔ケアに対するケアマネの意識が低い。優先順位が下がることがある。

*朝一番にうがいをしている。特に必要な方へは職員が仕上げ磨きをしている。(施設)

問題が発生、困った時はどのように対応していますか

*通っていた歯科に訪問できるか相談したり、歯科連携室へ相談。

*口を開けない人に対しては少しずつ歩み寄っている。

在宅に関する課題はたくさんある。理解いただくことも難しいので、歯科だけでなく介護従事者の皆さんにも誤嚥性肺炎や口腔内に関する情報をしっかりアプローチしていきたい。(久保先生)

講演の様子

 

◆ 参加者:48名( 医師11名、歯科医師・介護支援専門員 各6名、看護師・歯科衛生士 各5名、薬剤師3名、保健師2名、

理学療法士・社会福祉士・介護士・認知症地域支援推進員・生活相談員・施設管理者 各1名、事務職4名 )

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